marimonfuwaのブログ

何かしんどいなぁと思う時に綴ろうと思います

デイサービスに出かける父

母が1日中父といることで、少しずつ、フラストレーションが溜まっている様子に、父なりに考えることがあったようで、介護士をしている妹の勧めもあり、デイサービスに出かけるようになりました。
きっと、そんなところには行かないと、父は言うだろうという予想をあっさりと覆し、
「行ってみるよ」と、前向きな発言が出たのにはびっくりしました。


父は迎えの車に乗って、出かけること週2回。
しばらくは、楽しそうにしていた様子でしたが、1年、2年と過ぎると、手遊びをしたり、折り紙を折ったり、簡単な計算問題をするなどしかなく、段々とつまらなくなってきたようで、パンを作ったり、農作業をしたり、何かを工作したり、別のデイサービスにも登録したらどうだろうかと、2か所に出かけるようになりました。


でも、作業をするデイサービスに通い始めたころから、父は突然家に帰ってきてしまうことが数回ありました。
父にとっての、キーワードは、トイレでした。


歩いて帰れる範囲の見慣れた地域だと、父はその作業場所から、トイレに行きたくなったと、家に帰ってきてしまうのです。
デイサービスの担当の方は、きっと、顔面蒼白だったろうと思います。
徘徊して、そのまま行方不明になってしまう人もいます。
幸いにも、父は自分の家の場所だけは、最期まで忘れることがなく、無事に帰ってくることが出来ていたので、大事には至りませんでした。


どこかに一緒に出掛けて、トイレに行って出てくると、キョロキョロと辺りを見渡します。そして、家族の誰かが見つからないと、不安げな顔をします。そこから、歩き出してしまう人は、大変なことになりますが、父はしばらくはじっとそこに立っていて、数分間すると、歩き出そうとします。
様子をきちんと見ていないと、確実にどこかへ行ってしまうであろうという瞬間を見たので、気を付けないといけないねと、家族で話したこともあります。


外出してトイレに父が行ったときは、出てくるところで、誰かが待っていて、声をかけるようにしました。家族ではその対応が出来ますが、デイサービスで、何人もの方を見ておられる介護の方は、一瞬のすきに見失うこともあると思います。
ある時に、そんな迷惑をかけたこともありました。デイサービスから帰る直前、父がトイレに行きたいと、慣れた場所と思ってしまった介護の方が、トイレに一人で行かせてしまい、バスのところに戻って来ない父を、懸命に探してくださったそうです。トイレから出ると、反対側に歩いて行ってしまったそうです。
そんなことがあり、母は父がデイサービスに出かけると、帰ってくるまで心配で、心休まらなかった様子でした。