「なんで忘れちゃうんだろうなぁ・・」
ある時の孫との会話で、父がつぶやいた言葉です。
自分でも、分からない。忘れたくないのに、忘れている自分に気づく時、寂しさというか、むなしさというか・・・そういう気持ちがこもっていると思える言葉でした。
ゆっくりとした進行でしたが、父は確実に色々なことを覚えていられなくなっていきました。
例えば、母がどうしても出かけなければならない時、直ぐに戻ってくる買い物くらいは良かったのですが、その少しの間の留守番で、電話がかかってきたときや、来客があった時、父が応対します。
先方が父のアルツハイマーに気づいていない人からの電話だと、伝言を残してしまいます。でも、電話があったことは、忘れてしまいます。その結果、母には伝わりません。
こんなこともありました。
頂き物があって、母が誰に頂いたのかと父に聞いても、誰が来たのか覚えていません。
結果、先方に会ったとしても、母は御礼を言うことが出来ません。
その都度、自分が覚えていないことを突き付けられる時、父はどんな気持ちで過ごしていたのだろうかと、今更ながらに思うのです。
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