marimonfuwaのブログ

何かしんどいなぁと思う時に綴ろうと思います

廃業

それでも、職人が足りないため、仕事の依頼は続くので、会社はたたみましたが、個人事業主として、数年は仕事を受けていたのです。

しかし、1人では現場に行けませんので、母が一緒に着いて行きます。


そんな生活になって、しばらくして、母は父の作る物を見て、クオリティが下がっている事に気づき、完全に廃業する決心をしました。


工場の機械は父と母で作業できるために、色々と取り揃えていました。廃業してからもしばらくそのままにしていた工場。


父は見た目、全くと言って良いほど、普通でした。

会話も普通にしますし、少しの時間しか関わらない人からは、アルツハイマーとは気づかれませんでした。


工場もあり、看板も会社のまま掲げていましたので、仕事を頼んでこられる方はちらほらといました。


その度に、母がいる時は良いのですが、父しかいないときに、仕事を受けてしまうのです。


そんなことが何度もあり、その度に断りの連絡を母がし、工場の機械を処分しなければ、母のいない時に、仕事を受けて、また、ケガでもしたらいけないと、

父の全てが詰まった工場の機械を、母はあっさりと人手に渡す事を決めました。


色々な方に引き取って頂き、工場はあっという間に何もなくなってしまいました。


空っぽになってしまった工場に、父はハンモックを吊るしたり、ゴルフの練習場を作ったり。

朝食を取ると、工場に降りて、そこで一日中過ごす父の姿がありました。