marimonfuwaのブログ

何かしんどいなぁと思う時に綴ろうと思います

若年性アルツハイマー型認知症について

昨年亡くなった父のこと、少し書こうと思います。


父は職人でした。
発症は恐らく60歳くらいだったのだろうと思います。
何故、「くらい」なのかというと、正確に、若年性アルツハイマー型認知症と診断されたのがその数年後だったからです。
因みに「若年性」とは64歳未満で発症した場合に付けられるそうです。


もともと、忘れ物をしやすい人でした。
現場で道具を置き忘れてきたり、持って行くのを忘れたり。
だから、見過ごしていたのだろうと思います。


父が母を伴って、車で私の家を訪ねてくれた時、珍しく「道に迷った」と言ったことがありました。
まだ、診断を受ける前のことです。


「新しい道になってるからさぁ。目標物が変わっていて、迷っちゃったよ。」


父はトラック運転手を若い頃にしていて、地図もなしにどこへでも行ってしまう人だったのですが、その時に、異変に気付かなかったのは、家族だからなのだろうと思います。


父は職人なので、お客さんのところに作ったものを納めに行きます。
現場へ出かけたある日、しばらくすると、戻ってきたそうです。
母が忘れ物でもしたのかと思い、聞くと、


「家がわからなくなった。」と、伝えたそうです。


まだ、カーナビが付いていない車を使っている頃、母が地図を片手に、助手席に乗り、なんとか近くまで辿り着くも、家を見ても、どこの現場だったのか思い出せない父。


母が表札を一軒ずつ見て回り、なんとか、現場に入ることが出来ました。


そこから、父と母の新しい形の二人三脚が始まりました。