インボイス制度が始まります。
消費税の益税となっている事業者に対する取り決めなのだと、最初は思っていました。

しかし、その実態はなんだかおかしな制度なのだと、何度か講習会に出てみて思いました。

売上が1000万円未満の消費税免税事業者などと取引のある、中小零細企業。
消費税をこれまで支払っていた下請けさんに対し、インボイス制度の届け出がない事業者に対して、消費税を支払ってはいけないという法律なのだと思っていたら、公正取引委員会や下請法などが絡んでくるこの件は、これまでどおりに消費税を支払わなければならないのです。

下請けさんに対しては、消費税を支払ったのに、インボイスの届け出をしていない事業者に支払った消費税は、それを支払ったとして認めてもらえないという制度なのです。

簡単に言うと、決算時、消費税は預かり消費税と支払消費税の計算をして、その差額を税務署へ納付します。この時に、インボイスの届け出をしていない事業者へ支払った消費税は、支払消費税としては除外して計算しなければならなくなります。

結果的に、消費税の適正な届け出をしている事業者が、届け出をしていない事業者の消費税を肩代わりした形になるのです。

なんだか、納得のいかない制度で、国税ってもっときちんとしているのだと思っていたのですが、そうでもなかったなという話でした。

インボイス制度の届け出をしていない事業者から買い物をしたら、消費税がかからなくなるなら、一般の消費者にとっても良いことなのですが・・・そうはしなかったのが、変な仕組みだなと思っているところです。