目覚ましい回復
手術後の数日間は、発熱があったり、経過の数値が芳しくなく、リハビリに入ることが中々出来ませんでした。
このまま、認知症が進行して、深刻な状況になってしまうのではないかと、母や妹たちと、心配しました。
でも、発熱が治まると、父の回復力は目覚ましいもので、看護士さんたちも驚くほどの早さで、日々、良くなっていきました。
自らトイレまで歩いて行き、部屋まで戻ると、その後も何度も廊下を歩いてリハビリをしていました。
「早く家に帰らないとな。」
禁食が解けると、あっという間に全粥食になり、部屋を変わって欲しいと、病院から言われたのを良いタイミングとして、母は家に連れて帰ることを希望しました。食事の注意を受けて、予定より早く、手術後は2週間程で、退院となりました。
退院してから、最初の通院に、病院へ付き添う為、父と母を迎えに行き、その日、母の高血圧の診断もあったので、母の診察を待つ間、私と父で待合室にいると、父は母の診察だけが気になる様子で、
「お母さん、遅いな」
と、何度も何度も訊ねました。
父の診察になって、診察室に連れて行く時も、
「お父さんはどこも悪くないぞ」
と、言うのです。
「お父さんは手術して、入院してたんだよ。
経過を診てもらわないといけないからね。」
診察室で、先生に質問されても、
大丈夫です。としか、父は言いません。
痛みの感覚は、言葉にしない限り、無いものとして扱われるので、経過は順調となっていたと思います。
認知症の診察も、手術してからは、同じ病院で診てもらうようにしていたのですが、担当の先生が、大学病院から週に1回だけ来る方だったらしいのですが、あまり熱心な先生ではなく、適当にあしらわれる感じが母には納得いかなかった様子で、認知症に関しては、前の病院に行くことにしました。
父は気がつくと、手術されたお腹の辺りをいつも触っているので、痛みがあるのか尋ねると、
「大丈夫だよ」
と、答えていました。
痛みに強い人の欠点だったなぁと、今は思います。
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