marimonfuwaのブログ

何かしんどいなぁと思う時に綴ろうと思います

認知症の人が家を出たまま帰れなくなってしまうこと

父は60歳になった頃に、若年性アルツハイマー型認知症になって、ゆっくりと進行していった。
6年前、手術後半年で腹膜炎を発症して自宅で急変し、78歳で亡くなった。


亡くなった日の2日後に、GPS付きの靴についての説明を母と受ける予定だった。


デイサービスに出かけて、トイレに行こうとするときに、元の場所に戻ってこられなくなることが頻発していた。
デイサービスで、作業をすることがあったとき、そこから自宅へ歩いて帰ってきてしまったこともあった。
自宅から散歩に出かけて、2時間以上帰ってこないことも何度もあった。
行方不明になってはいけないからと、父の靴をGPS付きのものにしようという話をしていた矢先に亡くなってしまった。


まだ、私が子供のころ、実家前をパジャマで裸足のまま、サンダル履きのおじいさんが歩いていることがあった。真冬の寒い季節に、明らかにおかしいので、母と一緒にそのおじいさんへ声をかけに行き、工場の焼却炉前で毛布をかけ、暖を取ってもらった。
その間に警察へ連絡した。しばらくすると、行方不明で探している人かもしれないということで、警察官とそのおじいさんの息子のお嫁さんが迎えに来た。


そのお嫁さんは、本当にどうしてこんな遠くまで・・・と、おじいさんの肩をさすっていた。見つかって本当に良かったと。お嫁さんは何度も私たちに御礼を言って、おじいさんと帰って行かれた。


あの時、声をかけないで見過ごしていたら、おじいさんはもっと遠くまで行ってしまっていて、きっと見つからなかったかもしれない。


私は今でも、なんとなく不安そうに歩いている人を見かけると、心配で声をかけたくなる。
しばらく様子を見て、家に入って行ったり、誰か連れがいるのを確認すると安心する。


いなくなってから探すのは大変なので、ちょっと様子がおかしいと思ったら、声をかけてあげたいとそう思う。